第5章 ♡心も体も恋に堕ちて

　手の動きに合わせてやんわりと形を変える双丘の感触を堪能しているらしい彼は、服の上からでもわかるくらいには主張を始めた頂を指先で引っ掻くように刺激。眉根を寄せて小さく体を揺らした私の様子を嬉しそうに観察しながら「ここ好き？」と聞いてくるけど、できれば聞かないでほしい。
　恥ずかしさからだんまりを決め込んでいるとそれが不満だったのか、先ほどよりも執拗に敏感なところばかり刺激してくるものだから私の口からは声にならない声が出始める。

「ちゃん、一人でシたりすんの？」
「はあ！？　んっ、何言って……」
「単純に気になって。初めての男は僕らしいけど、これまでは自分で慰めたりしてたんかなー思て」
「デリカシー！」
「大事なことやん？　どこが気持ちええんか教えてほしいもん」
「そんなこと言ったって……あんまりしたことないからわかんない……」
「ほーん。あんまりてことはゼロではないんやな」

　ニヤリと意地悪く歪められた宗四郎くんの口元を見て墓穴を掘ったことを思い知らされる。いいように手のひらの上で転がされている気がして悔しい気持ちもあるが、今はそれ以上に恥ずかしさが募っている。真っ赤になったであろう顔を両腕で隠すように覆って「うるさい」とわかりやすい悪態と言う名の虚勢をつく。

「気持ちええとこも、嫌なことも、ぜぇんぶ教えて。ちゃんのことは何でも知っておきたいねん」
「……意地悪する宗四郎くんは嫌だ」
「はは！　ほんならめいっぱい可愛がったるでな。──今から覚悟しぃや」

　彼はできない約束などしない。その宣言通り、宗四郎くんはめいっぱい私を可愛がるためにTシャツをゆっくりと捲り上げる。ひんやりとした空気に触れると、先ほどよりもツンと上を向いた小さな桃色の果実が姿を現した。それをきゅッと摘ままれると口の隙間から甘い吐息が溢れ、自然と身を捩ってしまう。
　恥ずかしいけれど、今どうなっているのかの興味の方が勝って……顔の上にあった腕を退けて覗くように視線を下げれば、ちろりと舌を出した宗四郎くんと目が合った。

「見つかったか」
「え、何、して」
「んー？　舐めたらどんな反応するかなあって」
「舐めるって……」