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【保科宗四郎】副隊長は思ったより私のことが好きらしい【怪8】

第3章 苦くて甘い人生を


「はい! どこまてでもついていきます! 腹、ひっこめたいんで!」
「く……くそ、めんどくさいやつ煽ってもうた」
「小隊長は保科副隊長のお部屋、行ったことあるんですかあ?」
「え。私にもその関西弁なんですか?」
「はい! お二人とも尊敬してるんで!」
「アハハ……。えと、宗四郎くんのお部屋は何回か行ったことありますよ。小説借りに行ったりとか」
「えっ!? 部屋に呼んだのにまだ清い関係なんですか!? 保科副隊長まさかイン──」
「それ以上喋ったら二度と話せんようにすんぞ」

 驚きのあまり標準語に戻ったカフカさんから落とされた言葉が何を言わんとしているのか察してしまい、全身の血が顔に集まってきたのではと錯覚するくらい顔が熱い。ああ、もうなんだか頭くらくらしてきた……。
 いつもよりながーーーく感じた宗四郎くんの部屋までの道のりも何とか終わり、やっと──やっとやっとやっと! 彼の部屋の前までやってこれた。げっそりと数分前より老け込んだんじゃないかと思えるくらい疲れた私をエスコートするように、宗四郎くんは部屋へと続くドアを開けて先に入るよう促してくれる。
 お言葉に甘えて部屋に入ったあと素早い身のこなしで自室に入った彼は、これまた素早い身のこなしでドアを勢いよく閉じる。あまりの展開の早さにすごーいと傍観していたら「いっでえ!」と大きな声が辺りに響いて思わず肩を揺らす。

「何しますん保科副隊長!」
「やかましいわボケ! ドアの隙間に足突っ込むな! マナーの悪いセールスマンか!」

 宗四郎くんから怒鳴られるようなツッコミをもらっているカフカさんはドアの隙間に両手も差し込んで、何とか無理矢理抉じ開けようと全力だ。それを迎え撃つ宗四郎くんも全力だから間に挟まれたドアがミシミシと限界そうな音を立てていて、見ているこっちの方が何だかハラハラする。

「はよどっか行け!」
「いーや行きまへん!」
「ちゃん! こいつどうにかして!」
「え!? 私!?」
「急所でも何でも蹴飛ばして追い出してまえ!」
「え、えええ? 急所って……」
「ひどくないっすか!?」
「今から恋人同士がイチャイチャラブラブしようとしとる部屋に無断で入ろうとしとる奴のがひどいやろ!」
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