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【保科宗四郎】副隊長は思ったより私のことが好きらしい【怪8】

第2章 混ぜるな危険


「……なんちゅー顔をおっさんに見られてんねん」
「そ、そんなヤバい顔してる? 私」
「ヤバい」
「即答」

 私はどんな顔をしていたんだろう。一目見てヤバいと思われるほどの顔をしていた、という事実に卒倒しそう……穴があったら入ってそのまま三ヶ月くらい冬眠したい。って、ダメダメ。三ヶ月も冬眠してる暇ないわ。その間も怪獣は出続けるんだから。
 ヤバい顔の次はヤバいくらい百面相をしだした私を見た宗四郎くんはどこか呆れたように笑って、私の頭をくしゃりと撫でたあと──。

「ヤバいくらい、めーっちゃそそられる顔。このまま抱き潰したてしゃーないわ」

 私の耳元に唇を寄せ声を流し込むように彼が囁いたせいで、先ほどとは違う意味で肩が跳ねる。このままだと危ない気がする。何かはわからないけれど。直感的に感じとった危機感から逃げようと宗四郎くんから離れる算段を打つも、逆に腰を抱かれて密着度が増してしまった。

「そんな顔、僕にしか見せたらあかんやろ」
「いや、誰にも見せたくないのですが」
「は? それはあかん。僕が見たい」
「……やっぱ意地悪だ」
「ううっ……」

 宗四郎くんに手一杯でカフカさんの存在を忘れていたよ。ごめん、カフカさん。
 呻き声が聞こえた方を見ると少しの間伸びていたらしい彼が、のそりと緩慢な動きで起き上がる。後頭部を押さえているのを見るあたり頭をどこかに打ち付けた様子だ。
 大丈夫かな。心配になって近づこうとした私より早く、宗四郎くんがつかつかと歩み寄り、目線を合わせるようにカフカさんの前にしゃがみこんだ。

「おはようさん」
「げっ」
「なあ、カフカ? お前は何も見とらんし聞いとらんよな」

 疑問系ではなく肯定文で綴られた言葉はカフカさんに伝わらなかったらしく、眉間にシワを少し寄せて訳がわからないといったような表情をしている。そんなカフカさんに痺れを切らしたのか、宗四郎くんはカフカさんの右肩をがっしりと掴んで──。

「真っ赤っかになったちゃんの顔見とらんし、ちゃんがまだ男を知らん体やとか聞いてへんよな」
「ヒッ」
「それとも……そのだらしない体もろとも記憶も葬るか?」
「俺は何も見てないし聞いてません! 断じて!」
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