第8章 適合者
『はぁ、はぁ…ッ…どうして…』
何故か涙が止まらなかった。
あの日以来保科副隊長から避けられている気がする。
小此木さん達がいる時は普通に話してくれるのに2人きりになりそうになると分かりやすく逃げていくのだ。
夜、ふらっと出かけて行く副隊長を見かけて足が勝手に動いていた…
『あっ…日比野さん』
どうやら副隊長は日比野さんに逢いに来たみたいだ。
小此木さんからは副隊長と日比野さんは漫才コンビだったんだとか…
そんな仲が良いんだ…なんだか羨ましいな。
いつも隣にいてくれた保科副隊長…
それが当たり前になっていた。
心の奥の中では期待していた。
副隊長も私のこと好きだったらいいなって…
最初から分かってた。
自分の気持ち
あの日、彼と出逢ってからずっと…
『好き…だった…』
太陽のような彼…
眩しい笑顔…
大好きだった。
だけど彼は私じゃない誰かを見ていた。
そんな気がずっとしていた。
その相手は…
『亜白隊長には敵わないや…』
隊長だったんだ…