第7章 代償
『ッ!!///』
目の前で起こっていることに驚き動けずにいた。
理由は…
「おい!脅かすな言うたやろ!!驚かしてすまんな、…」
"ガハハハッ!!!そんなこと知るか!!!おい!女!久しぶりだな!"
目の前にいるのは装置に入れられた怪獣10号…
私を見るなりガラス越しに飛びついてきたのだ。
10号の言葉に首を横に傾げた。
久しぶり…ってことは以前戦ったってことかな…?
「お前!!!ほんまに人の話聞かんな!!言うたやろ、は記憶あらへんって!!」
"そんなことは関係ない!俺は強いヤツと戦えれば構わない…と言ったな!俺と戦え!"
『えっ!?』
10号の言葉に思わず声が漏れてしまった。
戦う…?
こんな強い怪獣と…?
でもどうして私なの?
「お前なぁー!!!あかんわ!!にちょっとでも触れてみろ!僕が切り刻んだる!!!」
私の前に立つ保科副隊長…
顔は見えないけど、背中からでも伝わるほど怒っているのが分かる。
何故だか凄く嬉しくて胸の奥が熱くなった…
"、俺が見込んだ女だ!俺と戦え!!"
「おい!なんべん言わせんねん!あかんに決まっとるやろが!!!…?」
私は無意識に保科副隊長のジャージの袖を引っ張っていた。
『保科副隊長…私戦いです』
「はぁ!?」
"ガハハハッ!流石、俺が見込んだ女だ!!!"
どうしてそんなことを言ったんだろう…
戦うべきだと頭の中で声がした。
もしかしたら何か思い出せるかもしれない…
そんな気がしたのだ。