第7章 代償
「ようやったな、この数日リハビリ頑張ったんやろ?」
『ッ!///ありがとうございます。ッい"!』
消毒液が染みて痛かったけど、褒めてもらえた嬉しさが勝った。
大きな怪我はないものの、怪獣の攻撃を避ける際に頬に怪我をしていたみたい。
お姫様抱っこされたまま医務室へと運ばれ、そのまま副隊長に手当をしてもらっているのだ。
「せやけど無茶しすぎやで、こんな綺麗な顔…傷つけたらあかんやろ?」
『へっ…!?///』
ちゅっと室内にリップ音が響き渡った…
思わず彼の唇が触れた頬に手を当てた。
「おまじないや!はよ治りますようにって!」
彼の言葉にポカンと口が開いた。
『ッおまじない…?』
「そーや!僕のおまじない、結構効くで!」
八重歯を出してニカッと笑う彼に思わず自分もクスッと笑ってしまった。
『ふふ、ほんとに効きそう…』
「ッ!///ハハッ、よし手当ても出来たことやし!この後ちょっと付き合ってもらえる?」
『?…はい、勿論です』
何処に行くのだろう…そんなことを考えているとまた…
『ッ!///』
「ほら、行くで〜」
彼に触れられた箇所が熱くて堪らない…
どうして…?
心がきゅっと締め付けられる…
未だにその理由は分からない。
だけど、嫌じゃない…
保科とは手を繋ぎ、2人は医務室を後にしたのであった。
それはまるであの頃のように…