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キミの隣で…【怪獣8号/保科宗四郎】

第6章 眠り姫


私の言葉に3人とも顔つきが変わった。

そして数分の沈黙の時間が流れた…

「…戻る方法は一つだけある」

沈黙を破ったのはお父さんだった。

『どうすればいいの?』

「は今、生と死の間にいるの。戻るには貴女の大切なモノを差し出さなくちゃいけないの…」

『ッ…大切なモノ…』

「にとって大切なモノってなに?」

ヒカリさんの言葉ですぐに頭に思い浮かんだのは1つだった。

『宗四郎…です』

宗四郎を差し出すなんて嫌、それなら私が死んだ方が…

「、宗四郎くんのこと愛しているか?」

『ッ!そんなの当たり前じゃない!!宗四郎を差し出すなんて嫌!!それなら…』

「落ち着きなさい、大丈夫よ。宗四郎くんを差し出せとは言わないわ」

『お母さん…じゃあどうすれば…』

「記憶よ…全ての記憶を差し出すの」

『ッ!?記憶?…そんな…』

それはつまり宗四郎のことを忘れてしまうということだ。

何もかも忘れてしまうのだ…

怖い、それに宗四郎に辛い思いをさせてしまう…

揺らぐ心、そんな私をすぐに励ましてくれたのはお父さんだった。


「、大丈夫だ。お前が本当に彼を愛しているなら…大丈夫だ!!お父さんが保証する!」

「お父さんの言う通りよ、大丈夫…」

「!大丈夫!!なら!!ねっ?"パパ"!」

ヒカリさんの言葉にハッとする。

背後に感じる気配に慌てて振り向いた。

振り向くとそこには…

此処にはいて欲しくなかった人がいた。

『功さん…』

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