• テキストサイズ

キミの隣で…【怪獣8号/保科宗四郎】

第6章 眠り姫


"、…"

誰かが私を呼んでいる…

そこで私は漸く目を覚ました。

『んっ…ハッ!』 

「「!!」」

目の前にいる人物に私は目を見開いた。

『お父さん…お母さん…?』

死んだはずの両親がいたのだから…

ぎゅっとお母さんに抱き締められた。

「、ずっと1人にしててごめんね…これからはずっと"一緒"よ!」

『ッ!私…死んだの?』

「9号と戦った時にな…でもお前はよく頑張った!流石は俺たちの子だ!」

お父さんに頭を撫でられる…

昔の記憶が蘇り懐かしい気持ちになった。

もう寂しくないんだ。

でも何か忘れている…

大切ななにかを…


「さぁ、行こうか…」

『何処にいくの?』

「天国よ、ここは生と死の間なの。私たちはここでずっと貴方を待っていたのよ」

お母さんが優しく微笑む。

「さぁ逝こうか、…」

差し出される父の手…

その手を掴もうとしたけど、頭の中でその手は掴んじゃダメだって声がするのだ。

関西弁の…心地よい声…

私が大好きな声…


その瞬間思い出したのだ。

『ッ!宗四郎…!お父さん、お母さん…私はまだ死ねないの!!大切な人がいるの』

宗四郎のことを忘れるなんて…

彼との約束の為に私はここで死ぬわけにはいかない。

早く戻らなくちゃ…

そんなことを考えていると突然凄い力で手を掴まれる。

『ッ!お父さん…?』

「態々そいつの記憶を抜いたのに思い出したな…」

お父さんの様子がおかしい…

違う、最初からおかしかったんだ。

ずっと抱いていた違和感…

そうだ、私の父と母であればきっとここで一緒に逝こうだなんて言わない!!


『ッ!!貴方たちは誰!!』

/ 108ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp