第4章 動き出した9号
「功さん!ハッ…!」
立ち尽くす功に安堵した鳴海だった。
然し、その功の腕の中で血だらけでぐったりしているがいることに気付き慌てて功に鳴海は近づこうとした…その時だった…
「鳴海隊長!それは…長官じゃない!!」
カフカは瞬時に功本人ではないと見抜いた。
ギリギリの所で攻撃を交わした鳴海とカフカ…
砂埃から姿を現したのは9号だった…
「クソッ!ッ!!!功さん何処だ、応答してくれ、功さん!」
鳴海は焦っていた。
全く応答しない功、そして9号の腕の中にはがいるからだ。
此処で漸くイヤフォンのノイズ音が鳴った。
ほんの一瞬安堵した鳴海、然し…
「あー、イサオ…適合者のこトか。ボクが殺して融合しタよ」
9号の言葉に息を呑む鳴海とカフカ…そして…
「誰がそんなこと信じるか!!!」
「キコル!」
「そウか…君はコの男ノ娘か…」
功の瞳を映し出す9号…
「ハッ…」
「見るな!キコル!!」
その姿を見てキコルは絶望した。
動くことすらままならないキコルに攻撃をしかけようとする9号…
「うちの隊員に何してんだ、お前…ッ!!!」
それを阻止したのは鳴海だった。
鳴海の攻撃を避ける為に腕の中にいたを放り投げた9号…
宙を舞うの身体…
今此処でを受け止めればその隙を9号に狙われる。
でもを放ってはおけない。
迷いが鳴海を襲った。
"オカッパなら迷わず…"
「ッ!!」
「補佐官!!まだ微かに息はある…医療班早く来てくれ!!!」
を守ったのはカフカだった。
カフカの腕の中にいるを確認した鳴海はすかさず9号への攻撃を続けたのであった…