第4章 動き出した9号
『ッ!!来栖さん!!(功さん…何処にいるの…)』
本部の荒れ果てた姿はあの時の立川基地と同じだった。
あの時よりも更に酷い…
不安が頭を過ぎる。
実は、四ノ宮さんたちの応援に向かっていた際に日比野さんが変身に成功し見事9号を討伐することに成功したのだ。
鳴海隊長ももう1体の9号を討伐するのに成功したとの報告も聞いている。
良かった…っと安心したのも束の間、再びアラーム音が鳴り響いた。
9号が蘇った…?
本部は現状手薄状態だ。
私は急いで本部へと急いだ…
そして今に至る。
倒れていた来栖さんは意識はないが、息はある…
早く医療班の元へ連れて行かなくては…っと思った矢先、奥に見えた後ろ姿に安堵した。
良かった… 無事でいてくれた…
『功さん!!!!』
功さんも怪我をしているかもしれない、そう思って慌てて功さんの元へと向かった。
然し…
「来ルな!!!!」
『ッ…!!』
功さん…じゃない…
『ッ!功さんは何処だ!!!』
私は銃刀を握り締め功さんに向けた。
こんなモノを功さんに向けたくないのに…
は心の中で葛藤した。
受け入れなければいけない事実…
でも微かな希望を持ちたいと…
然し、嫌でも現実を受け入れなければならなかった。
「ニ、げろ…!ハやク…ッ…」
『ハッ…!功さ…ッ!!』
ドォン!っと爆発音が街に響き渡った…
これが功自身の最後の言葉だった。
功は最後の最後までを守ろうとしたのだ…
『ッ…くっ…(功さん…あなたの代わりに…)9号は私が討伐する』
9号の攻撃をギリギリで交わしたは決意する。
必ず自身の手で9号を倒すと…