第4章 動き出した9号
「さてとスーツも温まったところで…狩りの時間といこうか…」
『ッ!!(その瞳は…)』
は鳴海の瞳に息を飲んだ。
何故なら…
「何ダ、その眼?まるで怪獣じゃないカ…グサッ)んー?」
あまりのスピードに9号は気づくことができなかった。
自身の身体が貫かれていることに…
鳴海にはもう一つの専用武器があった。
それが"Rt-001(レティーナ)だ。
怪獣1号の網膜から造られた日本最古のナンバーズ…
1号は未来視の怪獣だった。
生物の運動時、脳から発せられる信号を視覚化することで本人の身体が動くより先にそれを察知する。
記録では回避不能の攻撃を放つ恐るべき怪獣だったと…
そしてレティーナの最初の所有者は…
『…(お母さん…)』
の母、神崎ユキであったのだ…
勿論、鳴海がレティーナの所有者であることは知っていた。
然し実際に見るのは2回目だった。
そのこともあってかレティーナの瞳にはほんの一瞬ではあったが釘付けになっていた…
「ッ!コイツはボクがやる、お前は四ノ宮たちの援護を頼む!!」
『ッはい!!』
鳴海の声には我に返る。
そして、指示通りキコル達の元へと急いだのであった…
走り去るの背中を見つめ、鳴海は小さくため息をついた。
「ハァー、折角ボク様の本気を見せれたのに…仕方がない、さっさとお前を始末してあっちに行って見せつけるか…」
"戦力全開放…98%"
のちに鳴海はこの判断を後悔することになる。
の変わり果てた姿を目の当たりにすることになるのだから…