第2章 青天の霹靂
『ちょっ!//副隊長…』
「…今此処で君のこと抱きたい」
『何言って…ッ!』
冗談にしては度が過ぎている…と言おうとした。
でも言えなかった。
だって宗四郎はすごく寂しそうな表情をしていたから…
小此木ちゃんから宗四郎の元気がない理由を聞かれた。
多分今朝のことだ。
理由は言えないからとりあえず宗四郎と話してみると言えば、彼はトレーニングルームにいると小此木ちゃんは教えてくれた。
部屋に着くなり、中からは珍しく彼の荒い息遣いが聞こえてきた。
これは相当ハードなトレーニングをしてる…
宗四郎の癖なのだ。
ストレスが溜まるとハードなトレーニングをするのが。
いつもなら断る。
でも…今回の話は迷っている。
日比野さんが絡んでいるから…
彼を助けたい。
だけど一時的とはいえ宗四郎の隣にいれなくなるのだ。
正直かなり寂しい…
頭の中で色んなことがぐるぐると駆け巡る。
すると…
ガチャッ
『ッ!…そ、副隊長…』
「そんなとこでボーッと立って、どないしたん?」
扉が開き、ひょっこり顔を出す宗四郎はいつもと変わらない表情だ。
『あっ、いや、別に…ッ!』
「なんもあらへんことないやろ!ほら、入り!」
手首を掴まれトレーニングルームへと引き摺り込まれたと同時に抱き締められた。
『ちょ、副隊長ッ!//』
「宗四郎やろ…今は恋人同士に戻ってくれ」
どこか寂しげな声で話す彼に、私も素直に…
『宗四郎…どうしたの?』
「分かってんねん…せやけどやっぱり君を"アノ人"の隣に行かせたないねん…」
背中に回る手に力が入る。
宗四郎の言葉に胸が締め付けられた。
そう、私達はお互いに分かっている。
第1部隊へ行くべきだって…
「せやから、今此処で君を抱きたい…」
『へっ!?//何言って…んぅ//』
私の言葉は彼の唇によって乗り込まれたのであった…