第4章 動き出した9号
キコルは目の前の光景に息を呑んだ。
理由は…
「四ノ宮…金を貸してくれ…」
鳴海が土下座をしているからだ。
おまけに着ているTシャツには誠意と書かれている。
然し鳴海の言葉は誠意とはかけ離れたものであった…
『はぁ…』
「は?」
鳴海の言葉に拍子抜けするキコル、は呆れた表情だ。
隊長たる者が部下に金を無心するのだから…
「何故か分からん、先週入ったはずの給料がもう口座にないんだ!」
鳴海の部屋には山積みに積まれた大量の箱…
「後ろにYAMAZON(ヤマゾン)の箱めっちゃ見えてるけど!!」
隊長であるものの、キコルはついツッコミを入れてしまった。
「俺は財力しか問わない!だから頼む!!」
『鳴海隊長…』
ここで漸く口を開いた。
然しいつもと違うドスの聞いた声に鳴海は慌て始める…
「あっ、…これはだな…ひいっ!」
『いいからさっさと訓練に付き合いなさい!!!』
鳴海の胸ぐらを掴むはかなりキレていた。
初めて見るキレたにキコルは息を呑んだ…
「!早まるな!ボクの話を…」
『言い訳をしない!さっさと行きなさ…ッ!!』
タイミングよく警報音が基地内に鳴り響いたのであった…
基地内は慌ただしくなり始める。
「鳴海!、四ノ宮…出撃だ」