第3章 譲れないモノ
「ほな、行こか!」
『うん!』
八重歯を出してニカッと微笑み、手を差し伸べてくれる宗四郎の手に自身の手を重ね合わせる…
今日、私たちは京都へ行く。
宗四郎の両親にご挨拶に行く…
彼の両親と会うのは久しぶりだ。
両親が亡くなり、防衛隊でお世話になっていた時に宗四郎のお父さんに剣術を習っていた。
顔見知りではあるものの、やはり緊張はするものだ。
宗四郎は私が緊張しているのを察したようで…
「そない緊張せんでええ、僕の両親は君がお嫁に来てくれることめっちゃ楽しみにしとるから」
『それでもやっぱり緊張しちゃうよ…んっ//』
「ちゅっ)それやったら僕の家行く前にエッチでもしてから行くか?緊張ほぐした…バシッ)イテっ!」
『宗四郎のスケベ!!ほら、行くわよ!!』
「ちょっ!待ってや!〜!」
スタスタと歩き出す、その後ろを保科は慌てて追いかけたのであった…