第3章 譲れないモノ
『日比野さん、あんまり無理してない?』
「大丈夫です!!せっかく貰ったチャンス…みんなの期待に応えたいんです!!」
日比野さんの瞳は以前よりも力強かった。
今日は週に一度の面談日。
報告によれば、日比野さんは訓練後も自主練に励んでいるようだ。
必死に食らいついているのだろう…
彼らしい。
『その気持ちはとても大事だけど、しっかりと休むのも仕事よ』
私の言葉に目を見開く日比野さん。
何かおかしなこと言ったかな。
そう思っていると…
「あっ…保科副隊長にも同じこと言われたことがあって」
『ふふ、そっか…』
宗四郎らしいなって思った。
彼は気遣い上手だから…
今思えば、私も昔はよく宗四郎から怒られていた。
"休むのも仕事やぞ、!"
"働き過ぎやぞ!!"
きっと彼の口癖が移ったんだろう…
ついつい頬が緩んでしまう。
「そうだ!!ご婚約おめでとうございます!!」
『ッ!あ、ありがとう』
和やかな雰囲気だったが、それは一瞬にして壊された…
「だぁー!!!!その話をボクの前でするなー!!!」
「うぇ!!す、すみません!!!」
『はぁ…鳴海隊長、落ち着いて下さい』
鳴海弦の登場によって…