第3章 譲れないモノ
「無理させてしもたな…すまんな」
僕の腕の中でまだぐっすり眠ってる姫のおでこに優しくキスを落とす…
アノ人がに手ぇ出したんやで、抑え効かへんやろ?
どんだけの躰に僕の印をつけたかて、アノ人には効かへんことは分かっとった。
せやけど、いざ彼女の躰からアノ人の匂いがしてしもたら耐えれやんかった…
には少々無理をさせてしもたのは反省しやんとな。
の首筋は、鳴海のつけた印が見えないほど保科の印で真っ赤に染まっていた。
「次の休みは指輪見にいかんといかんな」
保科はの左手薬指をなぞった…
の左手薬指には指輪はついていない。
理由は高価すぎる為、仕事中は付けれないとのことだ。
指輪を大切にしてくれてるんはめっちゃ嬉しいんやけど、僕にとっては指輪なんかどうでもええ。
正直なとこ指輪を壊したり、なくしてしもても替えはいくらでもある。
せやけど、の替えはおらん…
やからこそ、指輪はつけてて欲しいねん!
って言うたんやけど、そんな訳にはいかんってが譲らんねんもん。
それやったら、普段使いでも支障のでやん結婚指輪をはよ買いに行ったほうがええやん?
僕もつけれるし!
「やっぱ今日やな、休みまで待てやん!アノ人のことや、絶対にのこと諦めてへんやろし…そうとなれば僕もはよ寝よ!」
僕の予想はやっぱり当たっとった…