第2章 床に重ねる熱と、満たされぬ衝動
そのまま二人は玄関の中、靴を脱ぐ間も惜しむように唇を重ね合い、やがてキスを交わしながらそのまま少し乱暴な速度で床へと倒れ込む。
の背中がひんやりとした床に触れ、センラはその上に覆いかぶさるようにして重なった。シャツの裾をくぐった手が、肌をなぞりながら熱を伝えていく。
「……っ、ん……なぁ……こんなに……ちょっと会われへんかっただけで……俺、どんだけ、お前のこと……欲しなってたか……わかるか……? もう……触れた瞬間、全部……崩れてまうくらいや……っ……ん、ちゅっ……」
「……んっ……わたしだって……ずっと……欲しくて……っ、んぁっ……もう……おかしくなりそうだったの……っ、ちゅ……んっ……あっ……」
玄関の冷たい床に、二人の熱がこぼれていく。
センラはの腰を強く引き寄せる。
舌が触れるたびにあふれる吐息。
お互いの熱をぶつけ合うように、貪欲に求め合い、何度も唇を重ね、重ね――
「……なぁ、……もっと、聞かせて……お前のその声で……俺のこと、欲しいって……ちゃんと……言うてくれや……」
「欲しい……っ、センラさん……全部、欲しい……っ」
その言葉が、センラの理性を完全に焼き切った。
会えなかった時間。
届かなかった温度。
触れられなかった身体。
そのすべてを、激しく、深く、重ね合うことでしか埋められない。理性も言葉も、熱の中で焼き尽くされていく夜が始まる。