第2章 床に重ねる熱と、満たされぬ衝動
【1週間後】
会いたいねと通話をした後、センラは忙しくしてた様でなかなか連絡も取れず1週間が過ぎた。
そんな彼を誇らしく思いつつ、寂しくもある気持ちの中、久しぶりに彼の名前がスマホに表示される。
「今からそっちに向かうね。22時くらいにはそっちにつくと思う。」
と短いLINEが入る。それだけでも胸が高鳴り、心音と体温が少しずつ上がっていくのを感じる。
は色々な感情を抱えながら、彼を迎える準備をする。
『お腹は空いてるかな?泊っていくのかな?すぐ寝ちゃうかな?…それとも直ぐ帰っちゃうのかな?』
そんな色々な思考を巡らし、彼の為の時間を過ごす。そんな時間も幸せに感じるだった。
そこから一時間後、チャイムの音が鳴った瞬間、の心臓が跳ねた。
玄関ドアを開けると、そこには、少しだけ伸びた前髪にキャップをかぶった、少しラフな洋服にマスク姿のセンラが立っていた。
「……おかえり、センラさん」
その一言に、マスクの奥でセンラの目元がふわりと緩んだ。
「ただいま。……はぁ、やっと帰ってこれたわ」
その声があまりにも安堵に満ちていて、思わず胸が締めつけられる。
センラは一歩近づき、そしてそのまま、キャップとマスクを脱ぎ捨て、の腰に手を回して強く抱きしめた。
「……寂しかったん、俺だけちゃうよな?」
低く、掠れた声。すぐに返事はできなかった。けれど、身体の奥までその温度が染み込んでくる。
「……違うよ。ずっと会いたかった……」
言葉を終えるより先に、唇が塞がれた。
最初はそっと触れるだけだった。
けれどすぐに、舌が這い、吸い、絡みつく。
まるで、失った時間を取り戻すように――いや、それ以上に。
「……んっ、せんら、さん……」
「会われへん間、ずっと……お前の唇も、声も、温度も、我慢してた……」
そのまま、腰がゆっくりとすり寄せてくる。
ズボン越しに、の下腹部に硬さが触れて……
「……うわ……やば……もう……触れただけで……」
息を震わせながら、センラは額をの肩に預ける。
「……このまま、なぁ?朝まで……くっついたままでおらして……?」
言葉にならないくらいに、甘く、熱く、切実。
その夜――理性は、玄関先で、崩れ落ちていた。