第8章 月下の決意
だがベランダの孤独な夜に
今彼女の心は弱さでいっぱいだった
「私…ほんとは、強がってるだけなのかな…」
蘭花はグラスを手に月光の下で呟いた
「味野に向き合うなんて…
怖かった。ずっと、逃げ出したかった…」
彼女の声は震え涙がこぼれグラスに落ちた
味野の家で彼女は強い言葉を並べた
「私が決める」「全部抱える」と。
でも本当はすべてを投げ出してどこか遠くへ逃げたかった
味野の痛み彼女が受けた銃弾、烏の娘としての重圧。
すべてが、蘭花の小さな肩にのしかかっていた。
左肩の傷がずきりと痛み
蘭花は包帯を押さえ顔を歪めた。
「生きてる…って、こんなに重いんだ…」