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GAIA-cadenza-

第1章 1


部屋の入り口に立っとったのは、さっき噴水で佇んどった人影やった。
俺は口をあんぐりと開けたまま、ゆっくりと部屋の中まで入ってくる人を見とった。
部屋の中央、俺らの前で立ち止まり、その人が俺らが向き合った瞬間、ドルチェが立ち上がった。
それに倣って、俺らも立ち上がる。
ドルチェは深々と頭を下げる。

「この度は、我々をお招き下さりありがとうございます」

その言葉に、俺以外の3人も頭を下げる。
一拍遅れて、慌てて俺も頭を下げた。
その様子を見てか、前に立つ人物がクスッと笑った気がした。

(な、何で?何でなん?何であの人がここにおんねん…?)

半分パニックになりながら、俺は顔を上げた。
目の前に立つ人物は、さっき俺に道を教えてくれた時と同じように優しく微笑んどった。

「カデンツァへようこそおいでくださいました。お会い出来てとても嬉しく思います」

そう言ってにっこりと笑う。
その笑顔には、きっと誰もが見とれるであろう美しさがあった。

「私はカデンツァの守護を任されています、アリアと申します」

アリアが優美に頭を下げる。
──髪飾りがまた、しゃら、と揺れた。

「至らない点も多々あるかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します」

「いえ、こちらこそ、何かとご迷惑をおかけするかもしれません」

ドルチェの言葉に、アリアはやんわりと微笑んだ。
アリアがドルチェに言葉を返そうと口を開いた時やった。
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