第2章 2
──『来てくれたのね、ありがとう』
───『……ごめんなさい…。私が頼りないから…』
──『レガート!!』
───『いつか私も……本物の星が見たいな』
「……!!」
───『姫様にあんたらみたいなお客が来るのは、初めてだったんだよ』
──『私達カデンツァの人間にとっちゃ、大事な姫様なんだ』
───『いつか姫様を私達以上に大切に想ってくれる人が現れて、姫様を救ってくれたら……』
「…………」
俺は目を閉じた。
(どうする?)
(………決まっとるやろ)
もう一度目を開け、そして、部屋のドアに向かって歩き出した。