第10章 初めての治癒、向けられた視線 ※微
視界の端で、倒れ伏す相澤が見える。
死「教えてやるよ。そいつが対平和の象徴、改人脳無」
「ぐっ…う……」
死「………」
ふいに、首から力が抜けた。
「っは……っ、はぁ……!」
肺が焼けるように空気を吸い込む。
膝が崩れそうになるを、死柄木は面白そうに見下ろしていた。
死「その顔……いいな。もっと、ぐちゃぐちゃにしたくなる」
次の瞬間、両腕を取られ、背後で固定される。
力が入らない。
疲労と酸欠で、抵抗すらできなかった。
死「ほら、見ろよ」
鈍い音。
パキッ――
相澤の腕が、不自然な方向に折れた。
「やめ、てっ……!消太、さん……!!」
死「個性を消せる、すてきだけどなんてことないね。圧倒的な力の前ではつまりただの無個性だもの」
相澤が再び個性を使う。
だが――
同じように、反対の腕も折られた。
「……やめて……お願い……」
声が震える。
死「……あぁ」
ふと、死柄木が首を傾げた。
死「いいこと思いついた」
「……?」
死「これ以上、イレイザーを壊されたくなかったら――俺にキスしろ」
「……は?」
理解が追いつかない。
死「聞こえなかったか?俺に、キスしろ。できないなら…」
視線が、相澤へ向く。
死「次は、頭が地面にめり込む」
「……」
一瞬、時間が止まった。
「……わかった」
死「フッ……」
満足そうに嗤う。
死「よく見てろよ、イレイザー。お前たちの“大切な先生”を――俺が、自分の手で汚す」
脳無が相澤の頭を掴み、無理やりこちらを向かせる。
相「……やめろ……しなくて、いい……」
小さく、息を吸う。
「……消太さんが、これ以上傷つくより……いい」