第10章 初めての治癒、向けられた視線 ※微
遠くで轟音と共に、水柱が立ち上がった。
不安が胸を締め付けた、その直後。
死柄木が、一直線に相澤へ向かって走り出す。
相「本命か!」
相澤の攻撃が、死柄木の腹部を捉えた――はずだった。
死「動き回るので分かりづらいけど髪が下がる瞬間がある。1アクション終えるごとだ」
相「!!」
死柄木の指先が触れた瞬間、相澤の肘が崩れ落ちた。
死「そしてその感覚は段々短くなってる。無理をするなよ、イレイザーヘッド」
「消太さんっ…!!っ!!!」
相澤は距離を取るが、すでに体力は限界に近い。
すぐさま別のヴィランが襲いかかる。
死「得意なのは短期決戦だろう?それでも飛び出してきたのは生徒に安心を与えるためか?かっこいいなぁ、かっこいいなぁ」
嗤う。
死「ところでヒーロー、本命は俺じゃない」
「……っ!」
嫌な予感が、背筋を駆け上がる。
相澤の背後。
そこに、脳無が立っていた。
「後ろ――!!」
間に合わない。
振り下ろされた腕、血が宙を舞う。
「いやっ……!!消太さんっ!!」
走り出そうとした瞬間、視界を塞ぐ影。
死柄木が、目の前に立っていた。
「っ!!!」
死「お前がか」
次の瞬間、首を掴まれた。
「う"っ………く……」
一気に酸素が奪われる。
指がくい込み、逃げ場はない。
死「苦しいよなぁ?いい顔だ」
愉しそうな声。
死「大事にされてるのが分かる。だからさ、全部壊したくなるんだよ。その綺麗な顔も、体も、全部」
狂気が、至近距離で笑っていた。