第15章 離れる覚悟、近づく気持ち ※微
行くはずだった他の職場体験先には行かず、雄英へと戻った。
色々考えなければならないことがたくさんあった。
雄英に戻ると廊下の奥、静まり返った雄英の職員室。
ドアを開けた瞬間、空気が少しだけ張りつめた。
相「戻ったか」
机に山積みになった書類の中、相澤が淡々と声をかける。
疲れを隠そうともしない目の下のクマが、いつもより深く見えた。
「はい。いま戻りました」
相「……見ての通り、ステインの件でヒーロー科全体が慌ただしい。警察も、ヴィラン連合との関連を疑っている」
「やっぱり……そうなんですね」
相澤は黙って一枚の資料を差し出した。
それは、事件の報告書だった。
現場の状況、負傷者リスト、そして、“ヴィラン連合との接触可能性”の文字。
は一つひとつ目を通す。
文面が進むほど、胸の奥が重くなる。
相「今日はもう休んでいい。明日、また再確認を行う。それに、林間合宿の話もしなければならん」
「…はい」
資料を胸に抱き、は職員室を後にする。
窓の外では、夜が静かに更けていた。
闇の向こうに見える街の灯りが、まるでの決意を照らしているようだった。
職員室の静けさの中、相澤は去っていったの背を思い浮かべていた。
ステイン、ヴィラン連合――不穏な影が動いている。
あの優しさは、人を癒す力でもあり、同時に弱点にもなる。
ため息をつき、窓の外を見やる。
相「俺が…守ってやりたい」
その眼差しはどこまでも優しかった。