第9章 酔いの夜、消えない温もり ※微
あっという間に時間は過ぎ、笑い声と余韻で満たされた。
ミ「あ〜、明日も仕事だ〜やだ〜」
相「教師が何言ってる、帰るぞ」
マ「はぁ〜マジかよ…もっとの歌声聴いてたかったぜ〜…名残惜しぃー!!なぁー!お前らもそー思うだろ相澤ァ??ブラドォ?」
ブ「当たり前だろぉ〜!もっと聴いてたかったぜ〜…!」
相「まぁ、それとこれとは別だ」
ミ「否定しないとこかわいいわねイレイザー♡」
相「香山先輩酔いすぎです、ほら帰りますよ」
そのやり取りに、はくすっと笑って頭を下げた。
「今日はありがとうございました。すごく、楽しかったです!」
相澤は一瞬だけ視線を泳がせてから、低く言った。
相「……。帰り、送っていく」
その言葉に、は少しだけ間を置いた。
(この前も送ってもらったし…これ以上、迷惑かけるのも……)
「き、今日は大丈夫です!じぶんで、ちゃんと帰れます!」
相「…まだ酔ってるだろ。危ないから、一緒に行く」
は少しだけ目を伏せ、ふにゃりと笑って首を振った。
「ほんとに、だいじょうぶです。今日はここまでで…すごく、たのしい時間をありがとうございました!」
そこまで言われてしまえば、これ以上強くは言えない。
相澤は一瞬だけ黙り込み、結局、小さく息を吐いて頷いた。
相「…気をつけて帰れ」
相澤は渋々頷きつつも、心配は拭えなかった。
それぞれが別の方向へ散っていく。
は電車に乗り、家へと急いだ。
気持ち悪さはない。
けれど、頭はふわふわしていて、瞼がやけに重い。
眠気と戦いながら、なんとか目を開ける。
「次は〜……」
最寄り駅の名前がアナウンスで流れ、は慌てて立ち上がった。
なんとか寝過ごさずに電車を降りて、夜のホームに降り立つと、春の風がひんやりと頬を撫でた。
「うぅ〜…ねむ…つかれた…さむ…」
足元がおぼつかないまま、ふらふらと家へ向かって歩き出す。
——その時。
背後から、声がした。