第9章 酔いの夜、消えない温もり ※微
約1時間後。
テーブルの上には空いたグラスと料理の皿が並び、店内の熱気も少しずつ高まっていた。
最初こそ緊張していたも、気づけば表情は柔らぎ、笑顔を見せる回数が増えている。
マ「ほらほら~!遠慮すんなって!飲めば飲むほど強くなるんだぞ!ヒーロー的に!!」
マイクが勢いよく注ごうとするビールを見て、は思わず苦笑いする。
「え、あの……さすがにもう、けっこう飲んでますから……」
ミ「ちょっとマイク、無理やりはダメよ?」
そう言いつつ、ミッドナイトは楽しそうに目を細める。
ミ「……でも、まぁ。少しだけならいいんじゃない?、顔色は悪くないもの」
「は、はい……」
恐る恐る差し出したジョッキに、ほんの少しだけビールが足される。
パ「おいマイク!それよりこっちも聞け!この前話してた新しいアイテムの件だ!」
パワーローダーの大声に、マイクがそちらを向く。
マ「おっ、それは気になるね~!今度ちゃんとデモ見せてくれよ!」
エ「ここは居酒屋だ。実験場じゃない」
エクトプラズムが淡々と釘を刺すが、誰一人として真面目に取り合わない。
セ「はっはっは!いいじゃないか、実に賑やかだ!」
セメントスは豪快に笑いながら、唐揚げを一口で頬張った。
そんな光景を眺めながら、はふと視線を横に向けた。
少しだけ距離を置いた席に、オールマイトが腰を下ろしている。
オールマイトは騒がしい教師陣を、中心に混ざることなく、
それでもどこか楽しそうに、穏やかな笑みで見守っていた。
「すごいですね、みんな仲が良くて…」
オ「うむ。君のような若い先生が来てくれて、みんな元気をもらっているのだろうね」
その言葉に、は照れくさそうに笑いながら答えた。
「ありがとうございます。でも、俊典さんのほうがきっと皆に与えれる力というものは強いと思います。やっぱり俊典さんは特別ですから」
オ「っ…いやぁ…、照れるね…。でも、ありがとう」
オールマイトは確信した。
オ(くんの力は、個性だけではない。傷ついた者の心に触れ、立ち上がる理由を与えてしまうこと。それを無自覚でやってのける――なんと恐ろしく、そして尊い存在なのだろう)