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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第9章 酔いの夜、消えない温もり ※微


その様子を、相澤は静かに見ていた。
口には出さないが、細い目の奥で何かが僅かに揺れた。

相「山田、新入りをからかうな」

相澤の低い声がテーブルを撫でたように響く。
しかし、いつもよりほんの少しだけ圧がある。

マ「え~?俺、今むしろ被害者なんだけど?」

相「黙って飲め」

そう言いながら、相澤はの前にそっと料理を置く。
さりげなく、マイクとの距離が少しだけ離れる位置に。

「……あ、ありがとうございます」

相「冷める前に食べろ」

短い言葉。
でも、その仕草はやけに自然で、迷いがない。

マイクは、相澤が自然にの前へ皿を置いたのを見た。

——ああ、なるほど。

胸の奥で、ほんのわずかに何かが引っかかる。
認めたくない感情ほど、静かに刺さるものだ。

マ(……ふぅーん)

視線だけを相澤へ向ける。

マ(あの相澤が、か)

無意識に、グラスを持つ指に力が入った。
笑って流せる程度のことのはずなのに、なぜか視線を逸らすのが少しだけ遅れた。

マ(……俺だって、だろ)

誰にも聞かせない、心の中の呟き。
それを誤魔化すように、マイクは小さく息を吐く。

マイクは何事もなかったように顔を上げる。

マ「さーて!まだまだ飲むぞォ〜!」

大きな声で場を戻しながら、視線は一度だけへ。

楽しそうに笑う、その顔を、自分が見つめていた時間のほうが長かったはずなのに。

相澤は、気づいていない。
この場で一番、静かに焦っている人間が誰かなんて。
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