第2章 はじまりの時、与えられた役割
ある日の学校の帰り道。
後ろから声をかけられた。
女の子「あの、前病気を治してもらって…。おかげで元気に学校に行けるようになりました…!本当にありがとう……!!」
同じくらいの年齢の女の子だった。記憶には全く残っていない。
だけど初めてあんなお礼を言われた。
とても心があたたまった。
それからは、自分の個性を少しだけ好きになった。
怪我や病気のことを幼いなりに勉強し、病院の先生に頼み込んだ。
「また……だれかの、きずをなおしたいです」
先生「おぉ!本当かね!それなら、前とは少し違う…そうだな…例えば、ヒーロー専門で治癒をするとかどうだね?」
「ヒーローせんもん?」
母「あらいいわね!ヒーローのヒーローね!!!」
「ヒーローの……ヒーロー………」
その言葉は、心に深く染み込んだ。
私たちは、ヒーローに助けられて生きている。
――じゃあ、そのヒーローは、誰が助けるの?
そこからまた、忙しい日々が始まった。
公安での手続き、特別措置。
仮免許を取得し、近場のヒーロー事務所へ挨拶回り。
みんな、優しく迎えてくれた。
けれど――どの顔も、ひどく疲れていた。
は、ぎゅっと抱きしめて、光を分け与えた。
「……すごい。本当に、体が軽くなる……ありがとう」
頭を撫でられて、は少し誇らしかった。
最初は近場だけ。
でも――その噂は、少しずつ広がっていった。