第7章 教師としての日々、初めてのキス
画面の向こうでは何故か街頭インタビューが生放送で始まった。
「この美しすぎる新人ヒーローについて、どう思いますか!?」
あ、雄英生だ。
顔は映ってないし何年生かわからないけど制服でわかる。
ミ「……絶対に余計なこと言わないで」
生徒「学校でも噂だったんすよ!かわいすぎる先生が来たーって。1年の副担任って、1年ズルいすよね」
「え?雄英の先生なの?」
生徒「え?そうですけど。オールマイトもいるし」
「え、は!?それ本当!?ちょっと!!!上層部に電話!!今すぐ!!」
ミ「あーーーー言ったら大変なことになるってわかるでしょう…誰よあの子…」
マ「終わった…」
相「…………」
は、目の前で起きている事態を、まだまったく理解できていなかった。
職員室の喧騒がひと段落した頃、ようやくは自分のデスクに戻れた。
椅子に腰を下ろし、深く息を吐く。
そのタイミングで、ポケットの中のスマホが震えた。
いや、震えたどころじゃない。
ふと画面を開くと、とてつもない量の通知が並んでいる。
「わぁ……」
その中に、ひとつ――久しぶりに見る名前があった。
〈炎司さん〉
「……あ」
少し迷ってから、メッセージを開く。
〈日本に戻ってきているそうだな。驚いた。今日は色々あって大変だったろう〉
短い文が、いくつか続く。
〈よかったら、久しぶりに顔を見せてほしい。運転手は手配する。夏雄も冬美も、会いたがっている。焦凍も、喜ぶ。燈矢にも、手を合わせてやってくれ〉
最後の一文に、胸がきゅっと締めつけられた。
「……うん」
返事は、すぐに決まった。
〈ありがとうございます。ぜひ伺わせてください〉
仕事をきちんと終わらせ、学校を出ると、門の前にはすでに一台の車が停まっていた。
運転手に合図され、後部座席に乗り込む。
「よろしくお願いします!」
「お疲れさまです」
そう言って、ペットボトルのお茶を差し出してくれる。
張りつめていた気が、一気に緩んだ。
車の揺れに身を任せていると、自然と瞼が重くなってくる。
「寝ていて大丈夫ですよ」
その言葉に甘えて、そっと目を閉じた。