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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第6章 新たな日々、非合理的な感情


相澤自身も、日本酒を口に運ぶ。
が幸せそうに飲む姿を見て、理由のわからない満足感が胸に広がる。

相「度数、高いからな。美味くても、飲みすぎるなよ」

「はぁ〜い」

返事は素直だが、もう頬が少し赤い。

はすっかり気に入った様子で、ゆっくり、けれど確実に杯を重ねていく。

「こんなに美味しいなんて……しあわせぇ……消太さん、ありがとうございます……」

相「……」

相澤は一瞬、言葉に詰まった。

相「……気に入ったなら、よかった」

それ以上は言わない。

だがしばらくすると、日本酒に慣れていなかったの動きが、明らかにふわつき始めた。

「しょーたさん!もっとのみましょーよー!」

相「だめだ。明日も仕事だ」

きっぱりと言い切る。

相「……もう帰るぞ」

「じゃあ!またぜったい!!連れてきてくださいね!」

「そう言ってもらえて嬉しいねぇ、また来てね」

名残惜しそうに手を振り、店を出る。

「おいしかったぁ…」

夜風に当たっても、まだ足元は心許ない。
相澤は、半歩だけ距離を詰めた。

「っ……わ」

何もないところで、つまずく。

反射だった。

相澤は腕を伸ばし、倒れる前に体を支える。
結果的に、はその胸元に収まる形になった。

相「……だから言っただろ」

低い声が、すぐ上から落ちてくる。

「っ……!!」

顔を上げた瞬間、距離の近さに息が止まる。

相澤もまた、一瞬だけ動きを止めていた。

相「……悪い」

そう言って、すぐに体を離そうとする。

相「無理に立つな。転ぶ方が面倒だ」

合理的な言葉。
けれど、腕は一瞬だけ、離れなかった。

「あ、あの……ご、ごめんなさい……!」

ぱっと距離が空く。

夜の静けさの中で、ふたり分の心臓の音だけが、やけにうるさく感じられた。
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