第6章 新たな日々、非合理的な感情
相澤は、無意識にグラスを握り直していた。
相(……死んだ、のか)
もう、比べる相手はいない。
それなのに、胸の奥に残る存在感だけが妙に重い。
ミ「……」
「大丈夫です」
すぐに言った。
「ちゃんと、受け止めてます。…だから、今ここにいるんです」
マ「……強ェな」
マイクの声が、低くなる。
……しん、と静まり返った卓。
その空気を、ぱんっと手を叩いて壊したのは――
ミ「はいっ!ストーップ!!」
全員がびくっとする。
ミ「重い!重すぎるわ!歓迎会で追悼ムードはダメよダメ!」
マ「香山先輩……」
ミ「だってそうでしょ?、ちゃんと前向いてるじゃない」
にっこり、でもどこか優しい笑顔。
ミ「……だからここからは“大人の時間”に戻します♡」
相「嫌な予感しかしないんだが」
ミ「はい相澤くん黙って」
即座に切り捨て。
ミ「で?話は戻るけど――」
くいっとグラスを置いて、ミッドナイトがマイクを見る。
ミ「先に聞こっか。ヒーローとしてじゃなくて――男として」
マ「俺?」
にっと笑って、肩をすくめる。
マ「つーかさ」
視線が自然とに向く。
マ「好きにならない方が無理なんじゃねェの!?」
「えっ!?」
マ「可愛い、強い、覚悟もある。それで人を癒せるヒーローだろ?」
少しだけ声のトーンが落ちる。
マ「…そりゃ惹かれるヤツ、出るに決まってる」
冗談っぽく笑いながらも、目は真剣だった。
ミ「ふふ、マイクにしては珍しく本音ね」
マ「大人だろ〜?俺」
「そ、そんな……」
頬を赤くして視線を落とす。
相澤はその様子を見て、軽く咳払いした。
相「…香山先輩、飲み過ぎなんじゃないですか」
ミ「え〜?まだ全然よ?」
相「質問が飛躍しすぎです」
話を切り上げるように、グラスに手を伸ばした――その時。