第6章 新たな日々、非合理的な感情
ミ「ほんと、できた子ね。でも…真面目な話はここまでにしましょ」
グラスを軽く揺らしながら。
ミ「だって、そろそろ聞きたいじゃない?」
にやり、と悪戯っぽく。
ミ「ねぇ」
嫌な予感がした。
「……はい?」
ミ「そんなに自己管理ができてて、覚悟も決まってて、しかも可愛い。――で?」
一拍。
ミ「恋愛はどうなの?」
空気が一瞬止まる。
マ「香山先輩…」
相「おい……」
ミ「いいじゃない、聞くくらい♡ねぇ、彼氏。いるの?いないの?」
は一瞬だけ目を泳がせてから、素直に答えた。
「いたこと…ありません」
ミ「うっっそでしょ!?」
マ「待て待て待て!!それはさすがに……日本の…アメリカの男ども、何してんだ!?」
「好きだなって思える人が、いなくて…」
ミ「……あら」
トーンが、少し落ち着く。
ミ「それなら、仕方ないわね」
マ「……納得はいかねェけどな」
相澤は何も言わず、グラスを持ったまま視線を落とす。
相(…いない、のか)
理由はない。
ただ、それだけの情報が、妙に胸に残った。
ミ「じゃあさ」
ぐっと身を乗り出すミッドナイト。
ミ「今は、好きな人もいない?」
「…いません」
そう答えながら、少しだけ笑う。
「今は、ヒーローとしてやることで精一杯なので」
マ「……真面目すぎだろ」
ミ「でも、そこがいいのよねぇ♡」
そして、ちらり。
ミッドナイトの視線が、相澤に向く。
ミ「ねぇ相澤くん?」
相「……何ですか」
ミ「こういうタイプ、どう思う?」
相澤は一瞬、言葉に詰まる。
相「…合理的だと思います」
即答だった。
ミ「ふふ♡“合理的”ねぇ?」
意味ありげな笑みに、相澤は眉を寄せる。
相「…何が言いたいんですか」
ミ「別に♡ただ…」
グラスを傾けながら、楽しそうに。
ミ「そのうち、大事な人が出来たらこの子、きっと“合理性”捨てるわよ」