第6章 新たな日々、非合理的な感情
ミ「“状態を把握できれば”って……小さい頃はどうしてたの?」
「……ほぼ、感覚でした」
マ「感覚?」
「触れた瞬間に、“ここが悪い”“ここは大丈夫”って……なんとなく分かって」
相「……医療知識なしで?」
「はい。だから大きな怪我は治せませんでした。切り傷とか、打撲とか……本当に軽いものだけで」
ミ「……でも」
ミッドナイトは首を傾げる。
ミ「あなた、オールマイトとも関わりがあったのよね?それって…重傷を治してた、って意味じゃないわよね?」
言葉を選びながらの質問。
は、少しだけ笑った。
「俊典さんたちは…」
一拍置いて。
「“治療”じゃなくて、疲労回復をしていました」
マ「疲労回復?」
「はい。個性の使いすぎで溜まった疲れとか、無理をしたあとの体の重さとか……」
ミ「どうやって?」
「ハグです」
「「「…………」」」
「触れている間、全身の細胞をゆっくり元気にする感じで。戦闘後の回復に向いてたみたいで」
マ「なるほどなァ……“ヒーローたちの休憩所”みたいな存在だったわけか」
ミ「……それ、危ないわよ」
少しだけ、声のトーンが落ちる。
ミ「そんな力、欲しがる人が出ないわけないもの」
「……はい」
ミ「例えば他に…、例外みたいなのってあるの?」
店の空気が、また静まる。
「……そうですね、あります」
3人の視線が集まる。