第6章 新たな日々、非合理的な感情
ミ「そういえば…。4月からはプロヒーローとして表に出るのよね?ヒーロー名はもう決めてるの?」
は少しだけ考えてから、柔らかく笑った。
「……そのまま、名前にしようと思ってます」
ミ「名前?」
「はい」
一度、グラスに視線を落とす。
それから、顔を上げて続けた。
「両親はもういないんですけど……だからこそ、この名前の意味をちゃんと噛み締めたいなって思って」
場の空気が、ほんの少しだけ静まる。
「“こうなってほしい”って願ってつけてくれた名前なので。その想いごと、背負っていけたらいいなって」
深刻になりすぎないように、最後はふっと笑う。
「なので、ヒーロー名もそのままでいこうかなって思ってます」
ミ「……」
マ「……なるほどな」
相「……いい名前だ」
短い言葉だったけれど、相澤のその一言は、やけにまっすぐだった。
ミ「とても素敵な考え方だと思うわ」
は少し照れたように笑った。
「みなさんのことも…」
ミ「私たちはいいの!今日はの日なんだから♡」
「えぇ……」
そう言いながらも、どこか楽しそうに笑う。
こうして、ミッドナイトによる“容赦ない質問攻め”が始まった。
ミ「ところで、改めて聞いていいかしら?」
「はい、なんですか?」
ミ「あなたの個性。“快気”って言ってたわよね。実際、どこまで出来るの?」
少しだけ、場の空気が引き締まる。
「基本は、患部に触れることで細胞を活性化させます。骨折、裂傷、内臓損傷……状態を把握できれば、ほとんどは治せます」
マ「“把握できれば”って?」
「人体の構造や、怪我の程度を理解していないと治せません。だから医学を学びました」
相「……なるほど。合理的だ」