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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第6章 新たな日々、非合理的な感情


少しだけ、視線を落とす。

「……実は」

言葉を選ぶように、ゆっくりと。

「私、昔から雄英に憧れてました。でも治癒個性だけじゃ、ヒーロー科には行けないって思ってて」

一度、息を吸う。

「戦えない。知識もない。だから……アメリカに行ったんです」

相澤は、何も言わずに聞いていた。

「ただ治すだけじゃダメだって気づいて。やっぱり、昔から憧れていた俊典さんみたいに戦えるヒーローになりたい…って」

指先を、ぎゅっと握る。

「5年かかりました。やっと、“自分の力だ”って言えるところまで来れた気がして」

顔を上げ、教室を見渡す。

「生徒としてじゃなくて。先生として、この場所に立てたのが……すごく嬉しいです」

相澤は、気づけば一歩近づいていた。

胸の奥が、静かにざわつく。
理由は分からない。

――あの時のように。
ただ、放っておけなかった。

相「……よく、ここまで来たな」

低く、確かな声。
大きな手が、そっとの頭に乗る。

「……っ」

一瞬、言葉を失う。

褒められたのは、いつぶりだろう。
認められたのは、いつ以来だろう。

相「……悪い」

はっとして、手を引こうとする。

「あ、違うんです」

慌てて顔を上げる。

「なんだか……嬉しくて」

少し潤んだ目で笑うその表情に、相澤は胸の奥が、ちくりと痛んだ。

相「……褒めるのは、教育係の仕事だ」

再び、頭に手が戻る。
今度は、さっきよりもほんの少しだけ長く。

相「努力してるやつは、ちゃんと評価する。それだけだ」

「ふふ……先生が褒めてくれるなら、もっと頑張れそうです」

相「合理的だな。伸びるなら、それでいい」

2人で、静かに笑い合う。
不思議と、居心地のいい沈黙だった。

相「…これで全部だ。丸一日かかったな。お疲れ」
「ありがとうございました!」

そのまま階段を下り、職員室へ戻る。

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