第6章 新たな日々、非合理的な感情
ミ「なにその落ち着きと覚悟……!若いのに完成度高すぎない!?」
ブ「若いのに偉いな〜!」
マ「ちょっとちょっと!そのビジュアルで4月からヒーローデビューしてしかも治癒系!?……相澤、ちゃんと起きてる?今」
軽く肘でつつきながら、マイクは笑う。
マ「今の自己紹介、聞き逃すタイプじゃないでしょ〜?」
視線をから外さないまま、肩をすくめた。
マ「いやそれよりさ、こんな子が来たら、雄英の空気変わっちゃうでしょ?」
職員室をぐるりと見渡してから、冗談めかして続ける。
マ「こりゃ日本中どころか、うちの職員室が一番ザワつくかもね?」
その中で、一人だけ静かに息を吐いた人物がいた。
相「……すごいな」
それは、感心とも評価とも違う。
もっと個人的で、言葉にしづらい何かだった。
「ありがとうございます!」
少し照れたように笑って、頭を下げる。
校「じゃあ紹介ついでに言っておこうか。くんの教育係は相澤くん。4月からは1年A組の副担任もお願いしている」
相「……わかりました」
淡々と返事をしながら、視線だけが、無意識にを追っていた。
全身黒の、眠そうな目をした男。
けれどその瞳は、わずかに見開かれている。
校「それじゃあ次は、私たちの自己紹介だね」
教師陣は順に簡単な自己紹介を終え、その流れで、は相澤の隣の席へと案内された。
椅子に座る前、は小さく身を屈める。
「よろしくお願いしますねっ」
相「……っ」
一瞬、言葉が詰まった。
相「……あぁ、よろしく」
視線が合う。
ほんの一秒にも満たない、短い時間。
それなのに――胸の奥が、かすかにざわついた。
相(……なんだ、今の)
理由はわからない。
年下だからでも、女性だからでもない。
ただ、“目を逸らしたくなかった”
それだけが、妙に引っかかった。
校「じゃあ、手を止めて悪かったね。引き続きよろしく頼むよ」
そう言って、校長は職員室を後にする。