第6章 新たな日々、非合理的な感情
校「さん。個性は“快気”。高い治癒能力を持つ、回復系の個性なのさ」
ざわ、と小さく空気が揺れる。
校「彼女は高校卒業後、アメリカで医学と実戦の両面を学んできた。この4月からは、日本でのヒーロー活動を開始し、ここ雄英を拠点に、教員免許の取得も並行して行う予定さ」
そして、柔らかく笑う。
校「戦場だけでなく、未来を育てる場所にも、きっと新しい視点をもたらしてくれるはずだろう。──みんな、よろしく頼むよ」
校長はの方を見て、軽くうなずいた。
校「では、くん。自己紹介をお願いしようか。オールマイトは、もう済ませてあるからね」
その言葉と同時に、視線が再びへ集まる。
校長先生から、静かにバトンが渡された。
「改めまして、です。長くアメリカにいたこともあって、苗字ではなく下の名前で呼んでもらえると嬉しいです」
にこり、と柔らかい笑顔を向ける。
職員室の空気が、ほんの少し和らいだ。
「私の個性は"快気"と言って、簡単に言えば、傷ついた細胞を活性化させ、回復を促す治癒系の個性です。発動には必ず患部への接触が必要で、相手を治したいという私自身の意思が条件になります。相手が望んでいなかったり、意識を失っている場合には発動しません」
重すぎないよう、けれど曖昧にはしない。
「またこの個性は、感覚だけで使えるものではありません。怪我の状態や損傷の程度、人体の構造を理解していなければ、正確な治癒はできない個性です。そのため高校卒業後はアメリカで医学を学び、医師レベルの人体知識を身につけてきました」
教師たちが、表情を引き締めた。