第15章 離れる覚悟、近づく気持ち ※微
カーテン越しに、朝日が差し込む。
ホテルの上階。
心地よい羽毛布団の中で、は静かに目を開けた。
「……ん、もう朝……?」
昨夜はあのまま、深い眠りに落ちた。
身体の芯から疲れが抜けた気がして、久しぶりに目覚めは良かったはずだった。
なのに、何かがおかしい。
窓の外は晴れているのに、胸の中に妙な重みがある。
(……なんだろう、胸騒ぎ……?)
手探りでスマートフォンを取る。
一番上の緊急速報の通知に、目が止まった。
【速報】
“ヒーロー殺し”ステイン、保須市にて目撃・交戦。
関連人物に、雄英高校1年生3名の名前。
「……え?」
そこから先は、呼吸が浅くなるのを感じた。
は起き上がり、震える指でニュースアプリを開く。
画面には、夜の街での現場写真。
血の跡、破壊されたビルの一部。
緑谷出久、轟焦凍、飯田天哉。
その名前が、ニュースの中で何度も繰り返されていた。
震える指で電話をかける。相手は相澤だった。
相「、見たか」
「ごめんなさい私昨日…、知らなくて…それで…」
相「落ち着け大丈夫だ。俺もさっき知った。3人は無事だそうだ。命に別状はない。だが……」
その言葉に、の視界が歪んだ。
安堵と、怒りと、何より――何も知らなかった自分への悔しさ。
昨日、浴びた眩いスポットライト。
光の裏側に、こんな闇が蠢いていたのなら。
私は、光るためだけの存在にはならない。
ちゃんと守るヒーローでいる。
は、急いでホテルの部屋を後にした。