第15章 離れる覚悟、近づく気持ち ※微
は、言葉を失った。
ウワバミの言葉は、決しておだてではない。
実際、収録中のスタッフの熱も、カメラマンの「天才だ……」という呟きも、全部自分に向けられていた。
けれど、
「…私は、人を癒すのが個性で。守るのが仕事で……だから、こんなふうに注目されるの、まだ慣れてなくて」
ウ「いいのよ。慣れなくても、受け止めれば」
ウワバミは、立ち上がって鏡の前に歩きながら言った。
ウ「“”として、ちゃんと光ってたわ。誇りなさい。誰かの視線に晒されるってことは、それだけあなたの生き方が見られてるってこと。それを選べる人は、限られてるのよ」
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テレビ局のロビーを出る頃には、日が暮れていた。
夜の街はひんやりとして、さっきまでの熱気が嘘のよう。
は、マネージャー代わりについてきたテレビ局のアシスタントに見送られ、タクシーへと乗り込む。
扉が閉まる瞬間、ウワバミが手を振った。
ウ「またすぐ、次があるわよ。覚悟しておきなさいね、先生!あ、今日撮ったやつは1週間後に解禁よ〜!」
「…今度はもう少し、心の準備をさせてくださいね」
そう言って、タクシーは静かに走り出した。
夜の街のネオンが、窓に映る。
その中に、少しだけ、自分の新しい姿が混ざって見えた。
の、少しだけ世界が広がった一日が終わった。
ホテルの一室に戻り、緊張の糸がほどける。
煌びやかな照明も、ざわめきも、まるで夢のように遠く感じられた。
鏡の前で軽く息を吐き、やっと肩の力が抜ける。
収録、撮影、視線、称賛。
光を浴びるという経験は、思っていた以上に体力も神経も削った。
それでも、得たものは確かにあったと思う。
けれど、その光の向こうで。
まさか、そんな影が同じ時間に迫っていたとははまだ知らない。
この夜、別の街角で。
緑谷、轟、飯田の3人が、血の臭いと殺気に包まれていたことを。
“ヒーロー殺し・ステイン”が、その牙を剥きかけていたことを。