第15章 離れる覚悟、近づく気持ち ※微
翌日。
今日はウワバミに挨拶に行く日だ。
多忙を極めるウワバミとの挨拶は、テレビ局の控え室でというふうに決まっていた。
テレビ局の廊下は、落ち着かない空気が満ちていた。
スタジオ入りする有名ヒーローたち、スタッフの走り回る気配、慌ただしいインカムの声。
今日ここに来たのは、あくまで職場体験中の生徒の様子を見るため。
コンコン、と控室をノックし、中に入ると、
ソファに座ったウワバミがラフに手を振って出迎える。
ウ「来たわね、ちゃん。会えてうれしいわ〜。ふたりともいい子よ、ほんとに」
「お忙しいところすみません」
静かに会釈しつつ言葉を並べるその様子を、ウワバミはにこにこ眺めていた。
ウ「いやぁ、やっぱり画になるわね〜…あなた、もっと前に出るべきよ」
「え!?いや…、あまり目立つのは……」
軽く笑ってかわそうとしたその時だった。
ガチャ
扉が乱暴に開きバタバタと入ってきたのは、見るからに業界人風の女性プロデューサーだった。
「ウワバミさん!例のビジュアル枠、モデルの子ドタキャンで…」
そこまで言って、の姿を見た瞬間、声が止まる。
「あなたは…」
ウ「雄英の先生で新人ヒーロー、知ってるでしょ?ちゃん」
「うそでしょ。ちょ、立って。回って。…やっぱり、すごい。顔小さ、足長っ。スタジオ映え間違いなし!」
「えっ?」
「代役お願い!すぐ出られる? っていうか出て!!衣装こっちで用意するから!」
「え、ちょっと待っ…私はその、そういうのは……」
口を開いた瞬間、すでにスタッフがドアの向こうで待機しており、#NAME1hを軽く誘導し始める。
「メイクさん呼んでー! 体型データ取れる? 衣装2番スタンバイで!」
「ま、待ってください、本当に私は――!」
「ウワバミさん、いいわよね!? これ番組のためでもあるし!」
ウ「ええ、もちろん! ちゃん、せっかくだからね?」