第15章 離れる覚悟、近づく気持ち ※微
の言葉の重さが、胸の奥に静かに落ちた。
ジ「……そうか」
短い返事。だがその声には、わずかな動揺が混じっていた。
視線が自然との服装へ落ちる。
ジ「…その服装、とても似合っているな」
は少し照れたように笑い、でもはっきりと答えた。
「ふふ、維さんに会うからと思って。そう言ってもらえて嬉しいです!ふふ」
その言葉に、ジーニストの瞳がわずかに揺れた。
――“自分に会うから選んだ”。
憧れでも、気まぐれでも、社交辞令でもない。
今のが、自分で考えて、選んで、口にした言葉だという事実が、思った以上に胸の奥を打つ。
ほんの一瞬だけ、呼吸が浅くなる。
視線がから離せなくなる。
かつて守ってきた少女が、今は“ひとりの女性”として自分の前に立っている。
その現実が、静かに、しかし確かにジーニストの心を塗り替えていく。
美しさに見惚れたわけではない。
優しさに絆されたわけでもない。
自分に向けられた“意思”に、完全に心を掴まれたのだ。
ジ(……あぁ、まずいな)
落ち着いた顔の裏で、初めて抱く種類のざわめきが広がる。
これは単なる好感ではないと、はっきり理解してしまう。
ジ「のそういった心遣いが装いに現れることを、私は嬉しく思うよ」
声は落ち着いている。
だが、ジーニストの内側では確かな波紋が広がっていた。
ジ(……危ういな)
一瞬だけ、そんな思いがよぎる。
欲望というより、“もっと知りたい”“もっと近くで見ていたい”という衝動。
それを飲み込み、ジーニストはわずかに笑った。
ジ「立派になったな、」
は、嬉しそうに微笑んだ後、扉に向かって歩いていく。
の背中が事務所の光に溶けてゆく中、ジーニストはそっと目を伏せ、独り言のように息を漏らす。
ジ「…私に会うから、か。それが、どれほど特別な言葉か…君は、知らないんだろうな」