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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第15章 離れる覚悟、近づく気持ち ※微


「……あの」

ふと思い立って、口を開く。

「ホークスさんの本名って、聞いてもいいですか?」

ホ「本名かぁ…」

一瞬だけ、視線が宙を泳ぐ。

ホ「…遠い昔に、捨てたよ」

「捨てた…?」

ホ「そう。だから俺の名前はホークスだけ」

いつもの調子で、軽く笑ってみせる。

でも――

「“ホークス”っていうのは、誰よりも速くて、かっこいいヒーローの名前ですよね」

そう前置いてから、は静かに続けた。

「じゃあ、本当のあなたは?」

ホークスの視線が、ぴたりと止まる。

「誰かのために羽を落としても、飛び続けてる人。それでも前に出て、戦ってる……優しいあなた自身のことを、私は知りたい」

ホ「……っ」

喉が詰まる。

ホ「そんなこと、知ってどうすると?」

「“名乗る名”に意味があるなら、“本当の名”には、もっと意味があると思うんです」

迷いのない声。

「私はヒーローも、生徒も……みんな、名前で呼びたい。肩書きじゃなくて、その人自身をちゃんと見たいから」

まっすぐな瞳。
逃げ場のない言葉。

――まずい。

そう思った時には、もう遅かった。

孤独で埋めてきた心の隙間に、という存在が、音もなく入り込んでくる。

ホ「…………啓悟」

気づけば、口が勝手に動いていた。

ホ「……鷹見、啓悟」

「啓悟……」

その名前を、確かめるように呼ばれる。

「素敵な名前」

その瞬間。
胸の奥を、ぎゅっと掴まれたような感覚が走った。
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