第13章 全力の先、静かな想い
東京の病院に着いたのは日が暮れてからだった。
受付を済ませ、病室の前に立つ。
一度、大きく息を吸ってから、扉を開けた。
「天晴さんっ!!」
飯&母「さん/ちゃん!」
飯田の母と、弟の天哉が振り向く。
ベッドの上には、呼吸器をつけ、包帯に覆われた天晴の姿があった。
医師が静かに説明を始める。
先「少し前に手術がおわったところでまだ意識が朦朧としています。あと2分手術が遅かったら手遅れでした」
自分がすぐそばに居たらこんなことにならなかったのに。
天晴の傍に行き、手を握る。
天「……来てくれたのか…」
「もちろんです。…どこまで治せるかわかりませんが、治癒します」
天「いや…、もうヒーロー活動はできない。さっき天哉に継いでもらったところだ…。だから大丈夫…。会えて嬉しい…」
「こんな状態で…会えて…嬉しいなんて……」
言葉が、続かなかった。
は、堪えきれず天晴を抱きしめた。
背中に、腕を回す。
柔らかい光が2人を包む。
その腕の中で、天晴は小さく息を吐いた。
天「……は。久しぶりだな……この感覚……」
かすれた声で、息を整えながら続ける。
天「…無理は、しないでくれよ……」
「明日と明後日、お休みなんで……大丈夫ですよ」
そう言って、まずは疲労回復から施す。
体育祭で何人もの生徒を治癒し続けた反動が、まだ体に残っている。
それでも手を止めず、次々と傷を癒していく。
刀で切り裂かれたような外傷。
深く、鋭い、ヒーローとしての最前線を物語る傷ばかりだった。
「これで…大体は……」
最後の言葉を言い切る前に、視界が揺れた。
そのまま、床に崩れ落ちる。
天「!」