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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第13章 全力の先、静かな想い


2回戦が始まる前、目を覚ました鉄哲と切島による腕相撲対決が即席で始まった。
熱のこもった勝負は切島の勝利。
歓声に包まれながら、切島は次へと駒を進めた。

そして、いよいよ2回戦第1試合。

(焦凍……)

エンデヴァーという呪縛。
それを背負ったまま戦い続ける轟が、どうか――今日こそ、自分の力で前へ進めますように。

轟焦凍 vs 緑谷出久

試合開始。

轟の氷結を、緑谷は指で打ち消す。
右の指、左の腕、次々に壊れながらも、轟を場外に出すことはかなわない。

だが、緑谷は轟が震えていることに気がついた。
とどめの氷結を出したところで、緑谷は壊れた指で攻撃した。

緑「半分の力で勝つなんて、ふざけるなって今は思ってる!全力でかかってこい!」

(!!!)

その言葉が、轟の心を強く揺さぶる。
緑谷はボロボロになりながらも、真正面から轟の攻撃を受け続けた。

緑「僕が勝つ!君を超えて!!!」

拳が、轟に届く。

その衝撃とともに、過去がよみがえる。
煮え湯を浴びせられた日の記憶。
憎い父の背中。

轟「俺は…親父の…力を……」

緑「君の!!力じゃないか!!!」

轟「!!!」

の声が、重なる。

「お父さんに囚われないで、焦凍は焦凍だよ」

そして母の声。

母「なりたい自分になっていいんだよ」

氷の隙間から、炎が立ち上る。
会場がどよめく。

「焦凍っ!」

轟「俺だって…ヒーローに……!」

最後の衝突。
爆音と暴風が渦巻き、視界は白煙に包まれた。

やがて煙が晴れる。

そこにいたのは、壁に叩きつけられ倒れる緑谷の姿だった。

ミ「み、緑谷くん 場外!轟くん、3回戦進出!」

はすぐに緑谷に駆け寄る。

右手は粉砕骨折。
左腕、脚、どれも無事ではない。

「無理しすぎだよ…。これ今すぐ治したら私倒れちゃうと思うから、全部終わった後でもいい?少しの間痛いかもしれないけどごめんね、まだ備えとかなきゃで…」

緑「全然…、大丈夫。いつもごめんなさい」

「毎回大怪我して、心配だよ」

少しだけ、緑谷の頭に触れた。
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