第13章 全力の先、静かな想い
第8試合
爆豪勝己 vs 麗日お茶子
開始の合図と同時に、麗日は一気に距離を詰めに走った。
だが爆豪は間合いに入らせない。爆破で地面を抉り、確実に迎撃する。
(勝己…、お茶子……)
どちらも、応援したい。
同じくらい、勝ってほしい。
麗日は何度も前へ出るが、そのたびに爆破で押し返される。
会場からは、次第にざわめきが広がっていった。
「女の子相手にやりすぎだろ…」
「可哀想じゃない?」
そんな声とともに、爆豪へのブーイングが飛ぶ。
相「爆豪は本気で勝とうとしてるからこそ、油断も加減もできねぇんだろうが!」
実況のマイクを押しのけ、相澤はそう言った。
その間にも、麗日は着実に準備を進めていた。
爆破で吹き飛ばされた瓦礫を、重力操作で空中に溜め続けていたのだ。
麗「勝ぁあああつ!!!!」
一斉に落とされる瓦礫。
爆音とともに、爆豪の爆破がそれらをまとめて粉砕した。
衝撃と風が会場を包み込む。
瓦礫は跡形もなく消え、麗日は限界を超えてその場に崩れ落ちた。
勝者、爆豪勝己。
トーナメント1回戦、終了。
2回戦までの、短い休憩時間。
はまず麗日のもとへ向かい、優しく治癒を施す。
その後、爆豪のところへ足を運んだ。
「勝己、おめでとう。決して手を抜かない勝己、かっこよかったよ。お茶子も、本気でぶつかってくれて嬉しかったと思う」
爆「…俺は完膚無きまでの1位を取る。このまま見とけ」
「うん、もちろん!あと、手貸して」
は爆豪の手を取り、軽く治癒を施す。
個性も身体機能の一部。
連続使用で、確実に負荷は溜まっていた。
爆「あんがとよ」
ぽん、との頭を軽く叩き、爆豪はそのまま控え室へ戻っていった。