• テキストサイズ

【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第13章 全力の先、静かな想い


一瞬で、心を掴まれた。

何だ、この人は。
見た目だけじゃない。
言葉も、在り方も、全部がまっすぐで、綺麗だ。

心「先生…、ありがとうございます」

「先生でいいよ、みんなそう呼んでる!って、私がそう呼んでってお願いしてるんだけどね!」

心「…先生」

その名前を口にした瞬間、胸の奥がきゅっと締めつけられた。

「うん!よし、背中大丈夫そう!一応少しだけ治癒しておくね」

背中に触れた手から、ふわりと温かさが広がる。
痛みが、嘘みたいに消えていく。

心「ありがとうございます」

「うん!じゃあ、またね人使くん!」

心「っ……!!」

名前を呼ばれただけで、こんなにも胸が熱くなるなんて。

励まされた。救われた。
――恋だと気づくには、十分すぎるほどだった。

会場へ戻る途中、クラスメイトたちからも声をかけられた。
それでも胸に残っているのは、の声だけ。

心(絶対……ヒーロー科に行く)

心操は、強くそう誓った。

その頃、は緑谷のもとへ駆け寄っていた。

「出久〜!お疲れ様おめでとう!」

勢いそのまま、ぎゅっと抱きしめる。

緑「ちゃんっ!?あ、ああありがとう!」

「ごめん、次の試合まで時間ないから先に治癒するね!」

変色してしまった指を、両手で包み込む。
淡い光が灯り、みるみるうちに元に戻っていく。

緑「……っ」

さっきの試合。
洗脳が解けた、あの瞬間。

の声に、身体の奥が反応した感覚。

緑(…何だったんだろう)

聞きたい、伝えたい。

でも。

「よし、もう大丈夫!次焦凍と範太だよ!急いで見に行かなきゃ!!!」

そう言い残して、ぴゅっと走り去っていった。

緑「……」

言葉は、胸の奥にしまい込まれたまま。

緑「…お礼も、言えなかったな」

緑谷は拳を握りしめ、すぐに顔を上げる。

緑「ぼ、僕も…早く行かなきゃ!」

走り出しながらも、心のどこかでその違和感は消えなかった。
の声と、OFAの奥で“何か”が確かに繋がった、あの感覚が。
/ 171ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp