第13章 全力の先、静かな想い
一時間の昼休憩を挟み、午後の部。
は本当は、校内に並ぶ出店を見て回りたかった。
けれど――
「外に出たら、絶対囲まれますよ」
「今日はやめておいた方がいいです」
そんな忠告を受け、泣く泣く職員室で昼食を取ることになった。
「……ブラブラ歩いて、お店で好きなもの買いたかったなぁ……」
小さく、肩を落とす。
「お祭り気分、味わいたかった……」
ぽつりと零れたその呟きは、書類を見ていた相澤の耳に、確かに届いていた。
相澤は何も言わない。
ただ、視線を落としたまま、その言葉を静かに胸に留める。
――そして、昼休憩はあっという間に終わった。
午後の部が始まる。
マ「さぁ昼休憩も終わっていよいよ最終種目発表!」
とその前に、レクリエーションがあるらしい。
本番アメリカからチアリーダーも呼んで…………
「み、みんな…?」
なぜかA組の女子がチアリーダーの格好をしている。
マ「どうしたA組!どんなサービスだそりゃ!……さぁさぁ楽しく競えよレクリエーション!」
A組の女子たちはそのまま続行するらしい。
レクリエーションが終われば最終種目進出4チーム、総勢16名からなるトーナメント形式、1vs1のガチバトルが行われる。
まずトーナメントの組み合わせ決めのくじ引きをする。
尾「あの、すみません」
尾白が手を挙げ、辞退を申し出る。
続いてB組の庄田も棄権し、代わりに鉄哲と塩崎が繰り上がった。
レクリエーションへの参加は自由。
トーナメント進出者の中で、爆豪はその場を離れようとしていた。
――その時。
「……っ」
バチッ、と視線がぶつかる。
爆豪の、まっすぐで強い目。
一瞬、動けなくなるほどの圧。
は小さく息を吸い、頑張れという気持ちを込めて、そっと手を振った。
爆豪は何も言わず、背を向ける。
手を挙げたまま、会場を後にしていった。
…まだ、視線を感じる。
顔を上げると、今度は轟と目が合った。
轟は一瞬だけ目を細め、静かに手を振る。
その表情は、ほんの少しだけ柔らいでいた。
が振り返すと、轟もまた、何も言わずに会場を後にする。
それぞれの戦いへ向かう背中を見送りながら、は胸の奥で、静かに息を整えた。