第13章 全力の先、静かな想い
ヒーロー科から経営科までの入場が終わり、今年の1年の主審であるミッドナイトの声により選手宣誓が行われる。
ミ「選手代表 1-A 爆豪勝己」
会場がどっと沸いた。
(そっか、やっぱり……)
入試首席。
派手で、強くて、問題児。
注目を集めるには十分すぎる存在だ。
ミッドナイトの後方、救護待機エリアから、はにこにことその様子を見守っていた。
爆豪が壇上に上がり、マイクの前に立つ。
その瞬間、バチッと視線がぶつかった。
爆「……」
一瞬の沈黙。
そして、爆豪は不敵に口角を上げた。
爆「せんせー」
場内がざわつく。
爆「俺が一位になる」
ポケットに突っ込んでいた手を引き抜き、迷いなくを指さした。
爆「ちゃんと見とけや」
「っ……!?」
一瞬、思考が止まる。
マ「おおっとォォ!?今の誰に向けた指差しだァ!?青春!?宣誓に青春ぶっ込んできたァ!?!?」
相「…………」
実況席で、相澤は何も言わない。
だが、目だけが鋭く細められていた。
Boooo!!! Boooo!!!!!
会場からはブーイングで溢れかえった。
爆「せめて跳ねのいい踏み台になってくれ」
さらにブーイングが大きくなる中、爆豪は何事もなかったかのように元の位置へ戻っていった。
(……もう)
胸の奥が、少しだけ熱い。
ミ「さーてそれじゃ早速始めましょ」
巨大モニターに、文字が映し出される。
【障害物競走】
ミ「コースを外れなきゃ何したって構わないわ!」
生徒たちが一斉にスタートラインへつく。
は救護エリアで、いつでも動ける体勢を取る。
(怪我、出ないといいけど……)
号砲が鳴った。
第一関門。
入試でも登場した仮想敵ロボットが、一斉に生徒たちへ襲いかかる。
一瞬で状況を判断した轟が、地面ごと凍らせ先頭へ躍り出た。
だが、他の生徒たちも負けていない。
爆豪は爆風で跳躍し、ロボットを蹴散らして前へ出る。
まだ負傷者はいない。
(このまま、見守れるといいんだけど……)