第11章 目覚めのあと、名付けられないもの ※微
雄英襲撃のニュースは全国を駆け巡り、“ヴィラン連合”という名前は一気に世間へと広まった。
そんな不穏な空気を抱えたまま、雄英では変わらず一大イベント――体育祭が近づいていた。
相「おはよう」
飯「相澤先生!先生はど…」
「みんなおはよう!」
教室の入口に立つの姿に、一瞬、時が止まったようになる。
麗「先生目覚めたんですか!」
轟「無事だったのか!」
クラス全体が、ふっと息を吐いた。
「みんな心配してくれてありがとう、お見舞いにも来てくれたんでしょ?あの後すぐに目が覚めたよ」
芦「よかったぁ……ほんとに」
は一度息を整え、少しだけ真剣な表情になる。
「それでね。ちゃんと話しておかなきゃいけないことがあるの。……私が眠った理由」
教室が静まり返る。
「USJで使ったのは、私の個性の中でも特殊な治癒方法。深い傷でも、短時間で治せる」
上「…条件、あるんすか?」
「あるよ。怪我をしてから1時間以内。対象は男性のみ。代わりに……私は、傷の深さに応じて代償がある」
ざわ、と小さく空気が揺れる。
「やったのは、USJが初めてだった」
上「…その治し方って?」
「キス」
一拍。
「「「「えぇええ!!!!!」」」」
芦「え、じゃ、じゃあ…♡」
葉「それって…♡」
上「まさか…」
相「…騒ぐな」
一言で教室を黙らせる。
相「事実だ。だが、それ以上でもそれ以下でもない」
切「……付き合ってなくても、できるってことっすか」
相「必要ならな」
「「「「大人ってやべえ!!」」」」
「あの時は、守ることしか考えてなかった。私が勝手にやったの」
相「俺は助かった。それだけだ」
短く、はっきりと。
爆「チッ、そーゆーことかよ」
爆豪は苛立ちが隠せない。
相澤がを見る目が、“教師が同僚を見るそれ”ではなくなっていること。
最初から芽はあったのかもしれない。
だが、この一件で完全に火がついた。
それに気づいたのは、爆豪だけじゃない。
に想いを向ける者たちは皆、同じ種類の視線を、相澤の中に見てしまった。
自分たちと、同じ目を。