第11章 目覚めのあと、名付けられないもの ※微
雄英では、ヴィラン連合について警察と一部の教師陣で会議が行われていた。
塚「警察のほうで洗ってみましたが、死柄木という名前、触れたものを粉々にする個性、個性登録に該当者なし。黒霧というワープゲートのほうも同様です。無国籍かつ偽名ですね」
一同の表情が険しくなる。
教師たちは生徒たちの無事に安堵していたが、同時に“正体不明の脅威”に背筋を冷たくしていた
結局、死柄木と黒霧について何もわかっていなかった。
オ「思いついても行動に移そうとは思わぬ大胆な襲撃。突然それっぽい暴論をまくしたてたり、自身の個性は明かさない代わりに脳無とやらの個性を自慢げに話したり、そして思い通りにことが運ばないと露骨に気分が悪くなる」
一瞬、間を置く。
オ「そしてくんへの執着…」
オールマイトは死柄木についての人物像を幼稚的万能感の抜けきらない子供大人だ、と推測した。
塚「先日検挙したヴィラン72名、どれも路地裏の小物でしたが、問題はその子供大人に賛同しついてきたということ。また、ヒーローを狙っているということ。おそらく治癒個性だから…だとは思いますが他に理由があったら怖いですね。……捜査網を拡大し、引き続き犯人逮捕に尽力してまいります」
校「逆に考えれば生徒らも同じだ、成長する余地がある。もし彼に優秀ならバックがいてその悪意を育てようとしていたら…」
塚「……そして、彼女を狙う理由が、個性だけとは限らない。感情的な執着か、歪んだ目的か。どちらにせよ、今後も標的になる危険は高い」
オ「考えたくないですね…」
誰も、それ以上言葉を発さなかった。
会議室には、重く張りついた沈黙だけが残る。
事件は終わったはずなのに、何かが確実に始まってしまった。
それぞれの胸に残ったのは、拭えない不穏な予感と、再び嵐が来るという確信だけだった。